🌸 長女にすすめられて読んだ一冊
「パパ、この本いいよ」
長女が貸してくれたのが『アルジャーノンに花束を』でした。
最初は、文章に句読点もなくて読みすすめるのがつらいという印象でした。
しかし、ページをめくるたびに、チャーリイ・ゴードンという人間の心に触れていくような不思議で深い体験をしました。
✅ この本は、こんな人にオススメ
- 親子で何か深い話をしたいと思っている人
- 成長や教育について考えたい人
- 頭が良くなりたいと思っている人
「幸せとは何だろう?」「人間らしさとは何だろう?」という疑問に、自分なりの答えを見つけたくなる一冊です。
📖 あらすじ:知能が高いと幸せになれるのか?

チャーリイ・ゴードンは、知的障害を抱える心優しい青年です。
彼は、頭が良くなりたいと強く願い、実験的な脳手術を受けることになりました。
その手術が成功して、チャーリイは驚異的なスピードで知能が高くなっていきます。
文字を読めなかった彼が、外国語や哲学等あらゆる学問を理解するほどの天才に成長していくのです。
そして、知能が高くなったことで見えてきた現実は、孤独と人間関係の複雑さでした。
「わたしには友達がいたのか?」「人はなぜ傷つけあうのか?」
そんな疑問とともに、チャーリイは知能の低下とともに元の状態へと戻っていきます。
最後に彼は、大切な仲間だった白ネズミ・アルジャーノンの墓に花を手向け、「ぼくをばかにして笑った人たちを、わらわないでください」と記します。
💡 親として、ひとりの人間として感じたこと
物語冒頭は、文法も単語もぐちゃぐちゃで読みにくく、意味がわかりにくいところがありました。
それが、チャーリイの成長を強く感じさせる演出だったと気づいていきます。
文章が少しずつ正確になってきて、論理的な思考となってきて、やがてまた元に戻っていく。
文章の変化がチャーリイの内面だったのです。
わたしの心に残ったのは、「知能が高くなったチャーリイは、本当に幸せになれたのかな?」という問いです。
おそらく 「NO」だったのではないか。
頭が良くても孤独になる。人の心が理解できるようになっても、優しさがないと人生は辛い。
むしろ、知能が低かったときの方が笑顔で楽しく過ごすことができた。そんな皮肉を感じました。
👨👧 親子で語り合える一冊に

この本について話したときに、長女が言ったことは
「知能が高くても、優しさがなかったら孤独になるよね。
チャーリイは、やさしいままだったのでよかったね。」
頭がいいことより、やさしさがあること。
それが人間の価値を高めることを、子どもから教えられたような気がした。
読書をすることは、本の中の物語で終わるだけでなくて、読み終えたあとに生まれる会話も物語になっていくのだなと実感しました。
✍️ まとめ:花束に込められたやさしさ
チャーリイは、自身の変化を日記に書き続けて最終的に知能が元に戻っても、他人を思いやる心だけは失いませんでした。
そして、「アルジャーノンに花束を、そしてぼくのことも笑わないでほしい」と理解をもって優しく接してほしいと願いました。
花束には、賢さよりも大切なものがあるというメッセージが込められているように感じます。
親子で読んでよかったと心から思える読書体験でした。
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