「遺言書なんてまだ早いよね?」という人がほとんどでしょう。今日で自分の人生が終わると考えて生きている人はほとんどいませんから――
遺言書は未来の家族を守るための準備です。私も以前は、自分の死後について全く考えてませんでした。そんな私が遺言書を作成しました。
私が遺言書を書くきっかけとなったのが、死後の手続きの多さと銀行口座など私だけが理解している事柄が多かったためです。残された家族のことを思い、大切なことは伝えておこうというのがきっかけでした。
この記事では、夢をかなえるゾウ流「もしもの備え」第4弾として、
遺言書の基本・種類・注意点・トラブル事例までわかりやすく解説します。
この記事を読んで、残された家族に自分の思いを伝えられる遺言書が作成できて、死後も家族の絆が続くようになっていただければ幸いです。

【1.遺言書って何?】
遺言書とは、自分の死後に財産や身分関係(婚外子の認知など)についての意思を記した文書です。
法律で定められた相続のルールよりも本人の意思=遺言が優先されます。
ただし、形式を間違えると無効になってしまうため、きちんとした知識が必要です。
【2.遺言書が必要な人とは?】
以下のようなケースでは遺言書があるとスムーズです👇
- 前配偶者(前妻、前夫)との間に子がいる(相続権ありでトラブルに)
- 子どもがいない(配偶者の兄弟姉妹が相続人になるケース)
- 法律で決まっている相続人(子や妻など)以外に財産を渡したい
- 相続人が行方不明、認知症、借金持ち(債権者が絡む)
- 不動産ばかりで分けにくい(現金化が難しい)
- 特定の人に事業を継がせたい(後継者を指定したいとき)
【3.遺言書の種類】
実務で使われるのはこの2つ👇
種類 | 自筆証書遺言 | 公正証書遺言 |
---|---|---|
作成方法 | 本人が全文手書き(財産目録はパソコン可) | 公証人が法律に沿って作成 |
費用 | 基本無料 | 有料(数万円~) |
証人 | 不要 | 2人以上必要 |
保管 | 本人(または法務局) | 公証役場が保管 |
検認(家庭裁判所) | 必要 | 不要 |
改ざん・紛失リスク | あり | なし |
有効性 | 不備があると無効(効力がない) | 確実に有効 |
【4.自筆証書遺言の書き方と注意点】
✅ 必須ポイント5つ
- 全文を本人が手書きで書く(財産目録だけはPC可・通帳コピーなども添付OK)
- 作成した日付を明記(例:令和5年6月8日)
- 署名と押印(できれば実印が望ましい)
- 不動産の記載は正確に(登記簿どおりに地番など記載)
- 2枚以上の場合は割印(ページまたぎはトラブルのもと)
✅ いい例(正しい自筆証書遺言)
令和5年6月8日
私の全財産を長男●●太郎に相続させる。
土地(所在:●県●市、地番:1234番)は同人に相続させる。署名:●●一郎
押印:実印
❌ よくある悪い例(無効になる)
- 「6月吉日」と書いてしまう(日付不明で無効)
- パソコンで全文作成(手書きじゃない)
- 押印がない or サインだけ
- 不動産の住所だけで地番が記載されてない
- 内容があいまい(「家は好きにしてくれ」など)
【5.公正証書遺言の流れ】
公正証書遺言は、**法律のプロである「公証人」**が作成します。
確実で安全な遺言を残したい人にはおすすめ!というよりこれやった方がいいです。
✅ 公正証書遺言の作成手順
- 遺言内容の整理と検討(何を、誰に、どう分けるか)
- 通帳・登記簿謄本などの資料準備
- 公証人と打ち合わせ(公証役場または訪問)
- 証人2名を用意して立ち会い(弁護士や司法書士に依頼可)
- 遺言書を作成・署名・押印し、原本は公証役場で保管
- 本人には正本・謄本が交付される
❌ 証人に相続人を選んじゃダメ!
相続する予定の人を証人にすると、内容がバレる上に無効になる可能性も。
第三者(弁護士・行政書士など)に依頼するのが無難です。
【6.実際にあった遺言トラブル例】
- ❌ 遺言書に書かれた不動産の地番が間違っていたため特定できず無効
- ❌ 自筆証書を見つけた親族が勝手に内容を改ざん→家庭裁判所で発覚し争いに
- ❌ 遺言書の存在を知らされずに相続手続きを進めてしまい、再分配命令が下る
【7.これ大事 遺言書に付言をいれておこう】
「遺言書の付言」とは。
「家族への今までの感謝、今後も家族で仲良くやっていって欲しいなどあなたの思いを遺言書の中に付言事項として書き留めましょう。」
例:「いい妻・子供に恵まれて良い人生がおくれたと思う。父親として、いたらぬことも多く迷惑をかけたが最後までついてきてくれてありがとう。もし、生まれ変わったとしたら、あなたたちとまた一緒に暮らしたい。どうか、この遺言書通りにして、家族仲良く暮らして欲しいというのが私の希望です・・・・・・・」
法律上はなんの効力はないけれど、もめない・円満な相続を目指すなら大変有益なものです。付言は、遺言書の中に残す「あなたの愛」です。
【8.まとめ】
遺言書は、あなたの「最後のメッセージ」です。
しっかり準備しておけば、家族に感謝され、トラブルも回避できます。
✅ 自筆証書なら気軽に書けるが、形式不備には注意!
✅ 公正証書なら費用はかかるが、安全・安心!
参考
知っておきたい遺言書データ(日本の現状)
- 公正証書遺言(2024年):約12万件
- 自筆証書遺言(2022年検認数):2万件ほど
思ったより少ない…!?
まだまだ「備え」が行き届いてない現実がここにある。
関連リンク(内部リンク)



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