「わたしは何のために働いているのだろうか?」
「毎日ただ惰性で働いているような気がする」。
そのような気持ちが心のどこかに引っかかっている人に刺さるのが、喜多川泰さんの『いただきます。人生が変わる「守衛室の師匠」の教え』です。
物語の舞台は、派手さとは無縁の大学の守衛室。
そこで交わされる会話がいつの間にか人生の核心に触れてくる。
読み終えた後、あなたはこう思うでしょう。
「明日からいただきますと言おう」と。
本作は、自己啓発書のように理屈で凝り固まっているのではなく、物語の中で“感謝”と“働く意味”を取り戻させてくれる一冊です。
📕あらすじ(少しネタバレ)

(Discoverホームページから引用)
主人公は19歳の翔馬。
高校卒業後に楽に稼いで遊びたいとバイトを転々としていました。
「楽に稼げる」と聞いて始めた仕事が大学の守衛室での警備員のバイト。
同世代の学生に関わりながら、年配の警備員たちと働くことに翔馬は恥ずかしさや違和感を抱いて、遊ぶ金が貯まったら辞めてやると思います。
ところが、守衛室で一緒に働く松原・薮島・天野ら年配の同僚たちの過去や生きざまに触れていく中で、翔馬の世界の見え方が少しずつ変わっていきます。
そして、物語の核になるのが本のタイトルになっている言葉——「いただきます」の本当の意味に気づく瞬間です。
😐この本のテーマは「仕事論」ではなく、生き方そのもの
仕事のテクニックや成功法則が本作の中心テーマではありません。
根本的な部分である
- 仕事とは何か
- 人生とは何か
- 命のつながりとは何か
といった問いを丁寧に掘り下げていきます。
毎日が地味で派手な事件もありません。
やがて、その地味な日常がいつの間にか人生を学ぶ教室になっていく。
ここが本作の一番よく描けているところだと思います。
🥲読後に残る最大の変化|「いただきます」が作法から感謝に変わる
多くの人にとって「いただきます」は、幼少時に教わる礼儀や習慣です。
しかし、翔馬は、守衛室の師匠たちから学んで気づきます。
- 自分は命をいただいて生きている
- 誰かの時間や手間をいただいて毎日が成り立っている
- 当たり前に見えるものほど、実は当たり前ではない
だからこそ「いただきます」は、形式ではなく感謝の感覚として自分の中に落ちてくる。
読後は、食事だけではなく、仕事や家事、会話も誰かから何かをいただいているという視点になり見え方が変わってきます。
ここが本作の人生が変わると言われる理由の核心だと思います。
🧑🏫守衛室の師匠たちが教えるのは「未来の誰かの笑顔のために動く」こと
師匠の年配警備員たちが翔馬に教えるのは、年寄りの説教ではありません。
自分の今までの生き様の中で体得してきた、未来の誰かの笑顔のために行動するという姿勢です。
仕事がただの労働になっているときに、しんどいのは当然です。
なぜなら、あなたの心の中がこうなっているから。
- 何のためにやってるのかが分からない
- 目の前の作業だけに日々追われている
- 誰の役に立っているのか見えていない
本作では、守衛室という小さな世界から仕事の意味は未来につながっていることを教えてくれます。
⤴️良かった点|若さの焦りと大人の疲れの両方に効く
翔馬は、どこにでもいる若者です。
- 楽して稼ぎたい
- 内心は将来への不安がある
- 今のままでいいのか分からないという、誰もが一度は抱く感情をまとっています。
だから、翔馬が変わっていく過程に自分を重ねやすいと思います。
学生なら進路への不安、社会人なら働く意味の喪失、親世代なら若い世代に何を託していくべきかという想いにささってきます。
📕こんな人にオススメ
- 仕事をただこなすだけになっていて、心がすり減っている人
- 「何のために働いてるんだろう」と感じたことがある人
- 家事・育児・介護など成果が見えにくい労働が報われないと感じる人
- 自己啓発書は苦手だけど、物語なら読めるという人
- 若い世代へのプレゼント本を探している人
☀️まとめ|「いただきます」が少しだけ丁寧になる本
『いただきます。人生が変わる「守衛室の師匠」の教え』は、守衛室という小さな世界で働く意味や生きる意味を静かに掘り下げてくれる成長物語です。
読み終えた後、世界が劇的に変わるわけではありません。
しかし、あなたの中で確実に変わるものがあります。
- 食事への向き合い方
- 仕事の見え方
- 日常の当たり前への感謝
もし、あなたの生活がバタバタで心が乾いてきているのなら、この本は大事なものをそっと戻してくれると思います。
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