個人事業主のクラウド安全術|共有設定・MFA(多要素認証)・バックアップ完全ガイド|パート4

はじめての開業

Googleドライブ、OneDrive、Dropbox、Chatwork、クラウド会計など。

クラウドは安価・早く・どこでも使用できる最強のツール です。

しかし、その裏では、大きな落とし穴があります。

  • 共有リンクの設定ミスにより全部公開される
  • パスワードだけでセキュリティーをしていて乗っ取られる
  • クラウド=バックアップという勘違い
  • 権限の設定不足のため、外注や元メンバーがデータに触れられる状態に

これらはすぐに改善できます。

この記事では、個人事業主のためにクラウドの落とし穴と安全に使うための対策
わかりやすくまとめました。

🕳️落とし穴①:パスワードだけでクラウドを守ろうとする

クラウドへの一番多い攻撃が第三者にパスワードを盗まれログインされる=なりすまし

Google、Microsoft、Dropbox、クラウド会計などどれかひとつでも乗っ取られると、顧客・契約書・請求データ等が全部抜かれてしまいます

すぐやるべき対策:MFA(多要素認証)の導入

  • パスワード+スマホ認証
  • パスワード+認証アプリ
  • パスキー(生体認証を使った最新の仕組み)

組み合わせると99.9%の乗っ取りを防げると言われています。

実践例(できれば全部やる)

  • Google → 2段階認証+パスキーを使用
パスワードの代わりにパスキーでログインする - Google アカウント ヘルプ
パスキーは、パスワードに代わる簡単かつ安全なログイン手段です。指紋認証、顔認証、またはスマートフォンの画面ロック(PIN など)を使用して Google アカウントにログインできます。 重要: Google アカウントにパスキーを追加しても...
  • Microsoft → Authenticatorアプリをダウンロード
Microsoft Authenticator のダウンロード - Microsoft サポート
Microsoft Authenticator アプリは、2 段階認証を使用しているときにアカウントにサインインするのに役立ちます。
  • Dropbox → 認証アプリ(Google Authenticator等
2 要素認証のオン/オフを切り替える方法
Dropbox の 2 段階認証は、Dropbox に追加の保護レイヤーを追加するセキュリティ機能です。その設定方法をご覧ください。
  • 会計ソフト → MFA(多要素認証)をONにする

▼セキュリティー向上のためのアイテム

  • YubiKey(ハードウェア認証)
     → 最高レベルのログイン保護

🕳️落とし穴②:共有リンクの設定ミス“誰でも見られる状態に”

クラウドの漏えいの中でも多い人為的なミスがこれです。

  • Googleドライブのリンクをいろいろな人が知っている
  • Dropboxの公開リンクをそのまま貼ってしまう
  • フォルダを丸ごと共有してしまい管理できていない

このように「設定ミス」で漏えいしてしまうことが多いです。

すぐやるべき対策:3ステップで共有を見直す

  1. 公開リンクをやめる
    → 基本は、特定のユーザーのみと共有する
  2. フォルダの丸ごと共有を減らす
    共有用のフォルダを別にする
  3. 期限付き共有の設定を習慣化する
    一つの仕事が終わったら、その都度共有設定を外す

誰とクラウドを共有しているかを自分で把握していること。それがクラウドを安全につかうための鉄則です。

🕳️落とし穴③:クラウド=自動バックアップだと思い込んでいる

クラウドに入れておけば、自動的にバックアップされると思っている人がいます。

これは半分正解で半分間違いなのです。

  • ミスして削除してしまう
  • ランサムウェアに巻き込まれクラウド上のデータも暗号化されてしまう
  • 乗っ取りされてデータが削除されてしまう
  • バージョン履歴の保持期限を確認せずに期限切れ など

といったことが普通に起こっています。

すぐやるべき対策:3つのルートで守る

クラウドのバージョン履歴を把握しよう

  • Google:通常、ファイルの変更履歴は基本的に保持されますが、特定の条件(ファイルサイズ、古すぎるなど)によっては自動削除される場合があります。

    Google One プラン利用者は、削除されたファイルを最大30日間復元できます。
  • Dropbox:Proなら180日バージョン履歴が保持されます
Dropbox バージョン履歴概要
バージョン履歴を使用すると、Dropbox アカウント内のファイルやフォルダの以前のバージョンを表示したり復元したりできます。バージョン履歴の詳細をご覧ください。
  • OneDrive:種類ごとに復元期間あり
OneDrive に格納されている以前のバージョンのファイルを復元する - Microsoft サポート
OneDrive Web サイトを使用して OneDrive で以前のバージョンのファイルを復元する方法について説明します。

ローカル+外付けSSDにバックアップ

  • 月1回のバックアップでOK
  • 重要なフォルダだけのバックアップでも十分

重要書類は二重バックアップしよう

  • 契約書
  • 法務・税務データ
  • 顧客情報 など

▼バックアップにおすすめのSSD

  • Samsung T7(パスワードロック対応SSD)
  • SanDisk Extreme(耐衝撃・高速)

🕳️落とし穴④:クラウドサービス選定のチェックが甘い

「安いから」「使いやすいから」でクラウドを選ぶと危険です。

クラウドを利用するときにチェックするべきことは

  • データはどこの国に保管されるか?
  • 解約時にデータを持ち帰れるのか?
  • データの暗号化はされているのか?
  • 障害時の復旧体制がととのっているのか?

などの重要項目があります。

すぐやるべき対策:最低5つの安全ポイントを確認

  1. 事業者の信頼性をチェック
  2. データ保存する国(EU/US/日本が好ましい
  3. データの暗号化(通信+保存)している
  4. ログが取得できる(誰がいつ何をしたかわかる
  5. エクスポート機能(すぐに辞められてデータを持ち帰りできる

🕳️落とし穴⑤:権限設定がザル(全員管理者になれる)

  • 外注に管理者権限を渡したまま放置している
  • 元メンバーのアカウントが今でも生きていて権限が残っている
  • 自分を含めて誰でも自由に利用できる状態

クラウドで一番危険な運用です

すぐやるべき対策:最小権限+棚卸し

  • 自分以外には必要な権限だけ与える
  • 管理者は原則1〜2名に絞る
  • 半年に一度はアカウント整備する
  • 退職・契約終了した人のアカウントは即削除しましょう

❓Q&A(読者の疑問を解消)

Q1. Googleドライブは安全なの?

安全性は高いです。

共有設定とMFA(多要素認証)を整えるとセキュリティーが強固になります

Q2. クラウド会計ソフトは情報が漏れやすい?

情報が漏れるのはソフト側ではなく、ユーザー側の設定・操作ミスの原因が多いです。

二段階認証をとりいれましょう

Q3. Dropboxの公開リンクを貼ってしまった…

すぐにリンク解除すればOK。

そのファイルが誰に届いたか確認しておきましょう。

Q4. クラウドに入れていてもデータが消えることある?

あります。

誤操作や乗っ取り、同期エラーなどが原因です。

ですので、外付けSSDのよるバックアップを必ず行いましょう

✅チェックリスト(ここまで出来れば安全Aランクに)

  • 主要クラウドにはMFA(多要素認証)を設定している
  • 共有リンクは特定ユーザーのみに限定している
  • 公開リンクは全て停止している
  • 外付けSSDで月に1回バックアップをとっている
  • 重要データは二重でバックアップしている
  • 利用クラウドの保存国・エクスポート方法を把握している
  • 外注の権限は最小限に設定済み
  • 不要なアカウントは削除済み

💻まとめ

クラウドサービスは、正しく使うと個人事業主の最強の味方 になります。

必要なことは

  • 強力なログイン保護を設定すること
  • 共有設定を正しくつかうこと
  • 二重でバックアップを取る
  • 権限管理を徹底すること

この4つだけです。

記事のパート1〜3で整えてきたOS・バックアップ・スマホ・テレワーク対策に今回のクラウド安全対策が加わえると万全のセキュリティ体制 が完成します。

✨関連リンク

🛡 開業したて個人事業主のセキュリティ対策入門Part1まずやるべき“0円”基本設定7選
個人事業主・フリーランス向けに、今日から無料でできる最重要セキュリティ対策7つを解説。OS更新・強いパスワード・2段階認証・バックアップなど、開業初日から安全に仕事を守る方法をわかりやすく紹介します。
開業したて個人事業主の「強化版セキュリティ対策」月1,000〜2,000円で“仕事を守る”本気の装備(保存版)Part2
開業したての個人事業主向けに、セキュリティソフト・外付けSSD・パスワード管理ツールの必須3装備をわかりやすく解説。月1,000〜2,000円で仕事のデータと信用を守る方法を詳しく紹介します。
個人事業主のテレワーク・スマホの完全防御|外部デバイスの落とし穴も解説(パート3)
個人事業主が陥りやすいテレワーク・スマホ・USBの落とし穴を徹底解説。家族共有PC・公衆Wi-Fi・未暗号化デバイスの危険性と安全に仕事するための実践対策をわかりやすくまとめました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました