マイクロ法人を作ったあとは「いくら報酬をとるのが一番お得なのか?」がポイントになります。
報酬を多くしすぎると社会保険料が増えるし、少なすぎると手取りが減ってしまう。
この記事では、2025年の最新情報に基づき
- どんな仕組みで節税できるのか
- 役員報酬はいくらがちょうどいいのか
- 法人税を下げる方法
- 小さな会社でも使える節税ルールをわかりやすく、数字の例を使って解説します。
💡 まず知っておきたい「損金」とは?
「損金(そんきん)」とは、会社の経費になる支出のこと。
この損金が増えると会社の利益が減る → 法人税が下がる仕組みです。
ただし、社長(自分)に支払う「役員報酬」は、なんでもかんでも損金にできるわけではありません。
ルールに沿っておこなわないと、税務署に認められず課税対象になります。
🧾 役員報酬を経費にできる3つのルール

| 種類 | 内容 | よく使われるケース |
|---|---|---|
| 定期同額給与 | 毎月同じ金額を払う | ✅マイクロ法人では基本これ |
| 事前確定届出給与 | 賞与などを前もって税務署に届ける | 年に1〜2回ボーナスを出す場合 |
| 業績連動給与 | 利益に連動する報酬(大企業向け) | 小規模法人ではほぼ使わない |
📌 結論:毎月同じ額で固定するのが基本!
途中で報酬を変更すると「経費扱いできない」と判断されることがあります。
💰 法人税のしくみをざっくり理解しよう
会社に残った利益には、法人税がかかります。
中小企業(資本金1億円以下)は、年800万円までは15%の軽減税率が適用がされます。(2025年度現在)
| 利益(課税所得) | 税率 | 税額(目安) |
|---|---|---|
| 400万円 | 15% | 60万円 |
| 800万円 | 15% | 120万円 |
| 1000万円 | 15%+α | 約166.4万円 |
💡つまり、利益を800万円以下に抑えるように設計すると法人税を節税できます。
🧮 役員報酬の設定で手取りと節税が変わる
ここでは、東京都・40歳代で計算してみます。
(健康保険と厚生年金を合わせた社会保険料:合計29.8%、本人負担は14.9%)
🧾 利益800万円ベースのシミュレーション
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 役員報酬を支給する前の利益 | 800万円 |
| 法人税率 | 15%(軽減税率) |
| 社会保険料(会社負担) | 報酬額の14.9% |
| 目標:利益を800万円以下に抑える設計 |
📊 計算(利益800万円前提)
| 月額報酬 | 年間報酬 | 会社負担社保(14.9%) | 法人の課税所得 | 法人税(15%) | 法人税軽減額(対報酬ゼロ) |
|---|---|---|---|---|---|
| 10万円 | 120万円 | 約18万円 | 662万円 | 約99万円 | 約18万円軽減 |
| 15万円 | 180万円 | 約27万円 | 593万円 | 約89万円 | 約27万円軽減 |
| 20万円 | 240万円 | 約36万円 | 524万円 | 約79万円 | 約36万円軽減 |
※前提条件:報酬支給前の利益800万円、法人税率15%、会社負担社保14.9%で試算。
- 報酬を出さない場合、課税所得=800万円 → 法人税=120万円に。
- 報酬を出すほど課税所得が減るため法人税が下がる。
- しかし、報酬が多いほど「会社負担の社会保険料」が上がって法人の経費増。
- 結果、法人税は減るがトータルコスト(報酬+社保+法人税)は一定ラインで増加。
🔹 報酬10〜15万円/月あたりが「法人税を800万円軽減枠内に抑えつつ、社保負担もほどほど」の理想ゾーンになります。
⚠️ 注意:報酬を下げすぎると将来の年金・保障に影響
- 厚生年金の積立が減って将来受取額が減る可能性が
- 健康保険の傷病手当・出産手当などの給付基準も下がります
- 節税だけを目的に極端に低い報酬にしないこと
💼 小さな会社で使える節税のワザ3選

① 30万円未満のモノは「一括で経費OK」
パソコン・プリンター・家具などの30万円未満のモノは、購入した年に全額経費にできます。
(ただし1年で合計300万円まで)
例:ノートPC22万円+モニター7万円+椅子2万円=31万円 → 全額経費OK!
📅 この特例は2026年3月末まで有効です。
② 設備投資で「即時償却」できる制度
「中小企業経営強化税制」は
条件を満たすと購入した設備をその年に全額経費にできる制度があります。
対象:生産性向上・IT投資・省エネ設備など
期間:2027年3月末まで(2025年改正で延長)
📋 ポイント
- 事前に経済産業大臣の「経営力向上計画」の認定が必要
- 投資前に工業会等から証明書を取得しておくこと
③ 法人でもインボイス登録を忘れずに
2023年10月1日から始まったインボイス制度。
請求書に「登録番号」を入れておかないと、相手が仕入税額控除できずに取引を避けられることがあります。
✅ 法人を設立したら早めにインボイス登録しておきましょう。
💬 よくある質問(Q&A)

Q1. 役員報酬を途中で下げてもいいの?
→ 原則NG。年の途中で変えると経費にできない可能性があります。
Q2. パソコンを30万円で買ったけど経費になる?
→ 30万円“未満”が対象です。30万円ちょうどは減価償却になります。
Q3. 法人税15%(軽減税率)は誰でも適用される?
→ 中小企業(資本金1億円以下)なら原則OK。大企業は対象外です。
Q4. インボイスに登録していないとどうなる?
→ 取引先が仕入税控除できないので、契約を断られる可能性があります。
Q5. 中小企業経営強化税制の手続きって難しそう…。
→ 税理士が手続き代行してくれます。認定を受ければ即時償却が可能になります。
✅ まとめ:マイクロ法人でお得に運用するコツ
- 役員報酬は毎月同額(10〜15万円が目安)で固定。
- 30万円未満の備品は、一括経費化して節税。
- 設備投資は、中小企業経営強化税制を活用して即時償却。
- 法人税15%の軽減税率をフル活用。
- インボイス登録は早めに申請して信用UP。
💡 小さな法人では、正しくルールを使うと社会保険も節税もバランスよく設計できます。
マイクロ法人は“節約+安心+信用”の3拍子そろった仕組みです。
🎯 次回予告
【第6弾】「マイクロ法人の落とし穴と注意点」
節税目的で法人設立するときに、やってはいけない5つのミスを実例付きで解説!
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