「国民健康保険料が高い…」「家族を扶養に入れたいな…」
そんなフリーランスや個人事業主が検討してみるとよいのがマイクロ法人です。
この記事では、マイクロ法人で社会保険に加入するための手順とメリット、デメリットを2025年度の最新データでわかりやすく解説します。
- 設立の費用はいくら?
- 毎月の社会保険料はいくらくらいになる?
- 手続きはどのタイミングがいい?
- 維持費や注意点は?
初心者でもわかりやすく、表・数字・計算式で整理しています。
📘 2025年の最新料率まとめ(東京都の例)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 健康保険料率 | 9.91%(40歳から64歳まで介護保険ありの場合+1.59%=11.50%) |
| 厚生年金保険料率 | 18.3%(固定) |
| 合計(会社+本人) | 29.8% |
| 労使折半後の本人負担 | 14.9%(29.8÷2) |
⬇️厚生年金保険料率
家族(妻・子)は扶養に入ると保険料0円です。
🧮 毎月の社会保険料を計算してみよう
計算式は簡単です👇
役員報酬 × 14.9% = 本人負担額(健康保険+厚生年金)
| 役員報酬 | 本人負担(目安) | 会社負担 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 10万円 | 14,900円 | 14,900円 | 29,800円 |
| 15万円 | 22,350円 | 22,350円 | 44,700円 |
| 20万円 | 29,800円 | 29,800円 | 59,600円 |
- 被扶養者(妻・子)は0円(国民健康のように人数で保険料は増えない)
- 年金も厚生年金なので、老後の年金額アップが見込まれる
🏗 設立費用はいくらかかる?
| 会社形態 | 登録免許税 | その他の費用 | 合計目安 |
|---|---|---|---|
| 合同会社 | 資本金×0.7%または6万円(高い方) | 印鑑代・登記簿謄本など1〜2万円 | 約7〜10万円 |
| 株式会社 | 資本金×0.7%または15万円(高い方) | 定款認証3〜5万円+印紙4万円(電子定款なら0円) | 約20〜25万円 |
⚠️会社の設立登記を司法書士に依頼する場合は、別途報酬が必要となります。
💡 費用を抑えたい人は合同会社がおすすめ。
電子定款を利用すれば、株式会社でも印紙代4万円を節約できます。
⬇️登録免許税税額表
📝 設立後の手続き(重要!)
会社を設立後、5日以内に社会保険の手続きを行います。
必要書類と提出先
| 手続き名 | 内容 | 提出先 | 期限 |
|---|---|---|---|
| 新規適用届 | 「会社として社保に入ります」の届出 | 年金事務所 | 5日以内 |
| 資格取得届 | 「代表(役員)を社保に加入させます」の届出 | 年金事務所 | 5日以内 |
| 被扶養者届 | 妻・子を扶養に入れる申請 | 年金事務所 | 同上 |
| 労災保険・雇用保険 | 人を雇う場合に必要 | 労働基準監督署/ハローワーク | 10日以内 |
📎 遅れた場合
遡って加入は可能ですが、過去分の保険料をまとめて徴収されることも。
設立日から5日以内に提出しましょう。
💼 維持コストと税金のリアル
| 費用項目 | おおよその相場(月額) | 備考 |
|---|---|---|
| 税理士顧問料 | 1〜3万円 | 記帳・申告を委託する場合は費用増 |
| 決算料 | 5〜15万円/年 | 年1回発生 |
| 銀行口座維持費 | 0〜数百円 | ネットバンクなら無料も多い |
| 登記簿謄本・印鑑証明 | 各600円前後 | 年に数回取得する |
実質的な会社維持コストは月1.5〜4万円が相場。
「節税」「扶養」「信用力アップ」などの見返りが大きいです。
⚖️ メリットとデメリットを整理

| メリット | デメリット |
|---|---|
| 社保で妻・子を扶養にできる(保険料0円) | 会社設立・維持に固定費がかかる |
| 老後の年金が厚生年金になる | 事務手続きが増える |
| 法人格で信頼性UP(取引に有利) | 役員報酬の変更は原則できない |
| 節税の幅が広がる(経費・損金計上) | 名義だけの法人は否認リスクあり |
💬 よくあるQ&A
Q1. 役員1人でも社保に入らないといけないの?
A. はい。法人は原則として「社会保険の適用事業所」となります。会社設立後、直ちに手続きが必要です。
Q2. 妻や子の保険料は本当に0円?
A. はい。健康保険料は被保険者本人にのみ課されます。人数では増えません。
Q3. 報酬は自由に変えられる?
A. 原則「毎月同額」でなければなりません。原則、途中変更はできないので慎重に設定しましょう。
Q4. 会社を作った後に放置したら?
A. 休眠会社でも税務署への申告や社会保険料の納付義務は残ります。完全放置はNGです。
Q5. どれくらいの報酬設定がいい?
A. 一般的には10〜15万円がバランス良好。社会保険料を抑えつつ妻・子を扶養に入れやすい金額です。
✅ まとめ:マイクロ法人で固定費を最小化するコツ
- 役員報酬10〜15万円を目安に設定。
- 妻・子を扶養に入れて社保料を最小化。
- 設立後5日以内に「新規適用届」「資格取得届」を提出。
- 税理士費用を含めた総コスト(月3〜5万円以内)を見込む。
- 名義だけの法人ではなく、実態のある事業として運用すること。
💡結果として、
国民健康保険+国民年金と比べて年間30万円〜50万円以上の節約になるケースもあります。
🗣 ラスコルのひとこと
実際に事業をやっていると「法人化はハードルが高そう」と思いがちですが
仕組みを理解して計画的に設立すれば、社保も節税も安心して使える制度です。
大切なことは「ルールを正しく使いこなす」こと。
マイクロ法人は小さく始めて、安心を得られる選択肢です。
🎯 次回予告
【第5弾】「マイクロ法人の節税術」
役員報酬と会社利益の最適バランス、経費の落とし方、税務調整のコツを徹底解説!
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