地下駐車場の浸水。車両保険 に「入る?入らない?」公正なFPシリーズ第28回

公正なFPシリーズ

大雨で地下駐車場に駐車された車が水没──三重県四日市市では、約274台が泥水に沈んで排水や搬出に数日を要した。

映像の衝撃を覚えている人が多いと思います。自賠責保険は、人しか守ってくれない。車の水害”を守ってくれるのは、任意保険の車両保険をつけていたときだけです。

一方で保険を使えば翌年の保険料は上がる。では、自分は車両保険に入るべきか?外すべきか?

この記事では、リスク × 時価 × 貯蓄余力のフレームと地下・低地パーキング特有のリスクを材料にして合理的な基準を示します。

四日市市の実例、JAFの安全検証、主要保険会社の補償範囲も踏まえて“入るか?入らないか?”に結論を出してみましょう。(四日市の浸水台数と経過は報道より。TBS NEWS DIG+1

👉 車両保険は“安心料”。 地下や低地に常駐するなら付帯することを考えてみては。そうでなければ「時価×発生確率×家計の耐性」で割り切るのがFPラスコル流。

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🅿️最近の実例(地下の怖さを直視しよう)

  • 四日市市くすの木パーキング:2025/9/12の記録的豪雨で地下一階は約1m、地下二階は天井まで水没、被害は約274台。止水板の不具合も指摘されて、排水・車両搬出に数日要しました。

    地下駐車場は、一気に浸水して、車も人も逃げ遅れリスクが跳ね上がる。
  • 冠水道路の立ち往生は全国で増加しています。専門家は「冠水路には進入しないのが最善」と強調しています。

⚠️⬆️の画像は、あくまでもイメージであり、実際の事故現場ではありません

🏯まず整理:何が守られ、何が守られない?

  • 自賠責:対人賠償のみ。自車の水害はゼロ補償
  • 車両保険(一般型/エコノミー型)多くの保険会社で洪水・豪雨等の水害は補償対象になっています。エコノミー型(限定型)でもカバーされるケースが一般的。ソニー損保+2
  • 津波・地震起因の水没は原則対象外です。必要なら「地震・噴火・津波(車両全損時定額)」等の特約をつける。MS Ins

使ったら等級はどうなる?

  • 自然災害(水害・台風・高潮等)で車両保険を使用 → 1等級ダウン+事故有係数1年(翌年だけ割引率が下がる)。
  • 衝突・物損等で使用 → 3等級ダウン+事故有係数3年が一般的です。

「軽微なら自費修理」を検討しましょう

🚗地下・低地パーキング:事前チェックの実務

  1. ハザードマップ:自宅・職場・月極駐車場の浸水リスクを地図で重ねて確認しょう(洪水/内水/高潮/津波)。ハザードマップポータル+2
  2. 施設の防水設備止水板・防水扉・排水ポンプ・非常電源・避難計画の有無を管理会社・管理組合に確認しょう(国交省の地下空間ガイドラインで整備指針)。国土交通省+2
  3. 駐車位置:出入口近く・スロープ下・集水桝付近は浸水しやすい。指定できるなら上層階/退避しやすい区画へ駐車できるとよい。

⚖️「入る?/入らない?」を決める

結論: リスク × 時価 × 貯蓄余力(+利用環境)で決める。

  • リスク=地下・低地にいつも車をとめる/通勤路にアンダーパス多い/ハザードで浸水色が濃い → どちらかとういうと加入寄り。
  • 時価時価100万超ローン残高大、新車に近い → どちらかというと加入寄り。
  • 貯蓄余力全損時に現金で次の車を即用意できるか。できないなら、しょうがないけど加入寄り。
  • 駐車環境=地上・高台・屋内上層で予防策が効く車の時価低い(例:30万〜70万)現金余力あり入らなくてよい

目安の計算式(ざっくりEV):
期待損失(車の時価−免責)×年次発生確率 vs (車両保険の年額保険料差)+(使った年の翌年だけの保険料増分)
前者が大きい=入るのを検討してもよい、小さい=入らない
※正確な金額は見積り画面で「車両あり/なし」を切り替えて比較するのがベスト。

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😭もしも冠水・水没に遭遇したら(実務フロー)

  1. 冠水路には絶対に入らない。水深は見た目でわからない。JAFの検証でも30cmでも危険、60cmは多くの車が脱出不可能に引き返す勇気が最善です。JAF(日本自動車連盟)+1
  2. 停止・避難:水に入ってしまったら、徐行でも水の巻き上げでエンジン等が致命傷に。車内へ入水したら車外へ速やかに退避
  3. エンジン再始動は厳禁故障・火災の恐れが。整備・レッカーを手配しょう(JAFや保険会社のロードサービス)。
  4. 保険会社に連絡 → レッカー → 修理 or 全損判定。全損なら免責なしで保険金額満額補償の取り扱いがあり。

❓よくある質問(最新事情で補強)

Q1. エコノミー型(限定型)でも水害は出る?
A. 多くの会社で補償対象です。加入している保険の約款・免責設定を確認しましょう。

Q2. 津波・地震は?
A. 原則対象外。「地震・噴火・津波(全損時定額)」等の特約でカバーできます。

Q3. 使うとどれだけ保険料が上がる?
A. 水害等は、1等級ダウン+事故有係数1年(翌年のみ保険料が割高)。衝突等は、3等級ダウン+事故係数3年(3年間保険料が割高)が一般的。

Q4. 免責はどう効く?
A. 部分損は、修理費用−免責が支払われる。全損認定なら免責なしで満額(契約保険金額)。ソニー損保+1

☀️まとめ

  • 水害で車を守れるのは車両保険だけ。 地下・低地にいつも駐車する場合は、車両保険付帯が合理的では。
  • “1等級ダウン+1年”という負担は限定的です。時価×確率×家計の耐性で“安心料”の妥当性を判断しよう。
  • 予防が最大の節約:ハザードマップの確認、管理側の設備・避難計画の有無をチェック。
  • 現場での最優先事項は命です冠水路に入らない、再始動しないで逃げろ。

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