保険は最低限にしてのFPシリーズ 第15回【保存版】年金だけで足りる?――あなたの老後「毎月いくら入っていくら出ていく」を3分で見える化

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「老後に毎月いくら入って、いくら出ていくのか?」

これが見えれば不安は消えます。今回は収入(年金+α)と支出を“実額”で並べ、自分の家計に当てはめるワークをやりましょう。平均論で終わらせない。あなたの数字を確認して、現実を変えていきましょう。

【結論】足りるかは“差額”で決まる。平均ではなく、あなたの家計で見て

  • SNSやニュースの平均値は、あくまで目安です。したがって、家賃・車・家族構成・地域で実額は激変する。
  • 老後CF(キャッシュフロー)= 収入合計 − 支出合計
  • ここで重要なのは、「固定費の顔ぶれ」と「一時的なドカン支出」を最初から織り込んでおくこと。

老後費用80%説が“当たる/外れる”の議論より、自分の差額を一度出す方が100倍速い

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💰年金はいくら入る?4本柱を棚卸し

収入の柱は4つ。全部足して“手取り見込み”で置く。

  • ① 公的年金(老齢基礎・老齢厚生)
    ねんきん定期便/ねんきんネットで見込額を確認。夫婦はそれぞれの額を足す
  • ② 私的年金・企業年金(企業型DC・個人年金など)
    受け取り開始年齢・期間・税引き後の手取りをメモ
  • ③ 就労収入(継続雇用・パート・フリー)
    月◯万円×稼働月。社会保険加入の有無で手取りが変動
  • ④ 金融資産の取り崩し・分配金
    配当・利金・定率取り崩し(例:年3%)を月割り

ねんきんネットに登録して、ご自身の年金記録にミスがないか等確認しましょう

https://www.nenkin.go.jp/n_net/

コツ:税金・社会保険料を引いた手取りで書き出す。見栄をすてて現実に寄せていこう。

🧓老後の支出はこう変わる:固定費・準固定費・変動費で漏れなく

支出は、「固定」「準固定」「変動」の3層にすると漏れない。

  • 固定費:住居(家賃/管理費/固定資産税)・通信・保険・自動車維持・NHK等
  • 準固定費:食費・光熱・医療自己負担(高額療養費の上限想定)・介護自己負担
  • 変動費:交際・趣味・旅行・被服・冠婚葬祭・家電入替・修繕

ポイント:車の入替・住宅修繕・家電取り替えは“年次イベント費”として、月あたりに平準化して計上するのがベター。

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🗒️3行フォーミュラ:月いくら不足(または黒字)かを即算出

✅ 「3行フォーミュラ」とは?

差額をシンプルに出すための計算式です。
たった3行で「自分の老後家計の赤字/黒字」が出せる簡易法。

3行フォーミュラ

  1. 収入合計= 公的年金+私的年金+就労収入+資産取り崩し
  2. 支出合計= 固定費+準固定費+変動費+年次イベント費(月割り)
  3. 差額= 収入合計 − 支出合計

👉 この「差額」を見れば、

  • 黒字:資産取り崩し不要 → 安心度◎
  • 赤字:月◯万円不足 → 年間不足×必要年数=備え額が一発で分かる

不足が月5万円なら、年間60万円。
取り崩し前提で年3%運用なら、概算の必要資産は 60万円 ÷ 3% ≒ 2,000万円
逆に、月2万円の副収入固定費−1.5万円で、不足5万円の6割は解消できる。

🏠ケース別モデル:3家計の「月次CF」

ラスコル
ラスコル

数字はです。自分の数字に必ず置き換えてね。

A)都市部夫婦(持ち家/ローン完済/車1台)

  • 収入:公的年金(夫婦)22〜23万円+就労3万円=約25万円
  • 支出:固定16万(保険/通信/車)+準固定8万(食費/光熱/医療)+変動3万=約27万円
  • 差額▲2万円 固定費の保険/通信/車から見直し。就労5万円に強化で黒字化。

B)地方単身(賃貸/車なし)

  • 収入:公的年金11〜13万円+配当/取り崩し1万円=約12〜14万円
  • 支出:固定7万(家賃/通信)+準固定5万(食費/光熱/医療)+変動2万=約14万円
  • 差額0〜▲2万円家賃/通信見直し就労2万円で黒字転換。

C)二世帯同居(持ち家/車2台→1台化)

  • 収入:公的年金(夫婦)22~23万円+就労3万円=約25万円
  • 支出:固定13万(車2→1で−1.5万)+準固定8万(食費/光熱/医療)+変動2万=約23万円
  • 差額+2万円 → 黒字は医療・介護余剰資金へ回す
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出典元と数値

💊足りないときの処方箋:固定費→収入→取り崩しの順で埋める

  1. 固定費見直し
     家賃、通信、保険(老後は火災・自動車中心)、車の台数を最適化。
  2. を増やす
     短時間就労(月2〜3万円)・スキルの現金化・賃貸スペース活用など“低ストレス収入”を増やす。
  3. 資産の取り崩し
     “年◯%”の定率取り崩しで寿命設計。相場に合わせ取り崩し率を柔軟に。
     例)不足3万円/月=年36万円 → 3%なら1200万円の金融資産で対応する。

この順番を守ると、生活満足度を落とさずに差額を埋められる。

✅今日からできる“未来の赤字ゼロ化”チェックリスト

  • ねんきんネットで受給見込額を確認する
  • 収入4本柱を手取りベースでメモする
  • 支出を固定/準固定/変動/年次イベントの4区分で棚卸し
  • 3行フォーミュラで差額を出す
  • 不足が出たら、固定費→収入→取り崩しの順で対策を設計する
  • 医療・介護の現金余剰資金(第13回を参照)を別口座で持つ
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まとめ(背中を押す)

老後の安心は“比率”ではなく“差額”で決まります。
1回、3分でいいのであなたの数字で差額を出してみよう。足りなければ順番に埋めていけばいい。
「見える化 → 一歩」の繰り返しが不安を味方に変える最短ルートになります。

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