禁酒して最初に困ることは、飲みたいより先に来ることです。
それは―夜が長いことだ。
飲酒が習慣になっていた人ほど、禁酒を始めた瞬間にこう感じる。
- 夕食後、手持ち無沙汰
- 何をしても落ち着かない
- 早く寝ようとしても頭が冴える
- 「今日も頑張ったし一杯…」が頭をよぎる
禁酒は、我慢の勝負ではない。
多くの場合、敵は酒ではなく、空白(ヒマ)だ。
😪なぜ「ヒマ」が辛いのか:脳は報酬の予定表で動いている
人間の脳は、毎日の中に楽しみを予定して動きます。
飲酒がルーティンになっていると、夜の脳への報酬はこう固定されます。
仕事終わり → 風呂 → 晩酌(報酬) → 気が緩む → 眠くなる
禁酒すると、この報酬だけが抜け落ちるので脳は騒ぎます。
「今日のご褒美がない」
「代わりは?」
ここで多くの人が意志でねじ伏せようとして失速する。
必要なのは根性ではなく、報酬の再設計です。
🍶少し飲んだだけでも翌日が気が重いのは、気のせいではない
飲酒した翌日の「朝の体の重さ」「脳の動きの鈍さ」。
実は説明がつきます。
- アルコールは睡眠、とくにREM睡眠などの質を乱しやすい(少量でも影響が出る可能性が示されている)
- 飲酒は翌日の気分やウェルビーイング(身体的、精神的、社会的な豊かさ)、睡眠の質と関連する研究もある
つまり、禁酒で「朝が軽い」を体感した人ほど、少し飲んだだけでその差が際立つのです。
だからこそ再飲酒は、精神論よりも先にパフォーマンスの差が跳ね返ってくる。
😓禁酒が辛い本当の理由:トリガーは酒ではなく「いつもの流れ」
禁酒の難しさは「酒そのもの」よりも酒に結びついた合図(キュー)が強い点にある。
- 帰宅した瞬間
- 冷蔵庫を開ける
- 21時台のYouTube
- 風呂上がりの一息
- コンビニ前を通る
依存や再発の文脈でよく言われる「キュー反応(cue reactivity)」は、脳の報酬・意思決定などのネットワークが関わるとされ、アルコールでもキューにより脳活動が変わる研究が積み重なっています。
ですので、禁酒初期の勝負は酒を断つだけでなく、合図も断つことが重要 。
👿ここからが解決編:ヒマを「堕落」じゃなく「回復」に変える
1)夜の報酬を別の形で用意する(最重要)
禁酒が続く人は、ほぼ例外なく代わりを持っている。
おすすめはこの3つ。
- 炭酸水(無糖):刺激で落ち着く(口が寂しい人に)
- 温かい飲み物:副交感神経に寄せる(寝つき対策)
- ノンアル系:どうしても儀式を残したい場合に
2)「夜の時間割」を先に決めて、脳に迷わせない
ヒマが辛い人は、夜に選択が多い。
おすすめのテンプレ:
- 19:00 夕食
- 19:30 皿洗い(終わらせる)
- 20:00 風呂(先に入る)
- 20:45 ストレッチ or 散歩10分
- 21:15 読書/耳で聴く(画面を避ける)
- 22:30 就寝
ポイントは、酒の時間に「別の行動」を入れ込むこと。
酒を抜くだけだとヒマが残る。
ヒマが残ると誘惑に負ける。
3)酒のことを考える時間を減らす(情報遮断)
第3話⬇️のSNSの話とつながりますが、この記事でも再確認。
- 酒YouTubeは「興味なし」を連打
- 晩酌系はミュート
- 夜は画面を見ないルール
これは意志を強くするのではなく、誘惑を弱くする作戦です。

4)「戻ってもやり直せる」設計にしておく
禁酒の敵は、再び飲酒するよりも

やってしまった。もうダメだ
という全か無か思考です。
公的なセルフヘルプでも「記録する」「対策を試す」「立て直す」が基本として示されています。
つまり、戻ったらこうするだけ。
- どの合図で飲んだ?(場所・時間・気分)
- 次回は何に置き換える?
- 翌日は最短で生活に戻す(引きずらない)
☀️まとめ
この記事を読んだ人が得れるものはこれです。
- 禁酒が辛い理由が「自分の弱さ」ではないと分かる
- 夜のヒマに負ける仕組みが分かる
- 我慢ではなく設計で勝てる
- 翌朝の軽さを取り戻せる確率が上がる
✅次回予告【第5話】
「完全禁止」より「ルール化」する
回復思考の禁酒論――挫折しない続け方
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