【第4話】禁酒すると時間が増えるのに、なぜ最初は辛いのか|酒が埋めていたのはアルコールではなく「ヒマ」だった

健康・禁酒・食事

禁酒して最初に困ることは、飲みたいより先に来ることです。

それは―夜が長いことだ。

飲酒が習慣になっていた人ほど、禁酒を始めた瞬間にこう感じる。

  • 夕食後、手持ち無沙汰
  • 何をしても落ち着かない
  • 早く寝ようとしても頭が冴える
  • 「今日も頑張ったし一杯…」が頭をよぎる

禁酒は、我慢の勝負ではない。
多くの場合、敵は酒ではなく、空白(ヒマ)だ

😪なぜ「ヒマ」が辛いのか:脳は報酬の予定表で動いている

人間の脳は、毎日の中に楽しみを予定して動きます。

飲酒がルーティンになっていると、夜の脳への報酬はこう固定されます。

仕事終わり → 風呂 → 晩酌(報酬) → 気が緩む → 眠くなる

禁酒すると、この報酬だけが抜け落ちるので脳は騒ぎます。

今日のご褒美がない
代わりは?

ここで多くの人が意志でねじ伏せようとして失速する。

必要なのは根性ではなく、報酬の再設計です。

🍶少し飲んだだけでも翌日が気が重いのは、気のせいではない

飲酒した翌日の「朝の体の重さ」「脳の動きの鈍さ」。
実は説明がつきます。

  • アルコールは睡眠、とくにREM睡眠などの質を乱しやすい(少量でも影響が出る可能性が示されている)
  • 飲酒は翌日の気分やウェルビーイング(身体的、精神的、社会的な豊かさ)、睡眠の質と関連する研究もある

つまり、禁酒で「朝が軽い」を体感した人ほど、少し飲んだだけでその差が際立つのです。

だからこそ再飲酒は、精神論よりも先にパフォーマンスの差が跳ね返ってくる

😓禁酒が辛い本当の理由:トリガーは酒ではなく「いつもの流れ」

禁酒の難しさは「酒そのもの」よりも酒に結びついた合図(キュー)が強い点にある。

  • 帰宅した瞬間
  • 冷蔵庫を開ける
  • 21時台のYouTube
  • 風呂上がりの一息
  • コンビニ前を通る

依存や再発の文脈でよく言われる「キュー反応(cue reactivity)」は、脳の報酬・意思決定などのネットワークが関わるとされ、アルコールでもキューにより脳活動が変わる研究が積み重なっています。

ですので、禁酒初期の勝負は酒を断つだけでなく、合図も断つことが重要

👿ここからが解決編:ヒマを「堕落」じゃなく「回復」に変える

1)夜の報酬を別の形で用意する(最重要)

禁酒が続く人は、ほぼ例外なく代わりを持っている。

おすすめはこの3つ。

  • 炭酸水(無糖):刺激で落ち着く(口が寂しい人に)
  • 温かい飲み物:副交感神経に寄せる(寝つき対策)
  • ノンアル系:どうしても儀式を残したい場合に

2)「夜の時間割」を先に決めて、脳に迷わせない

ヒマが辛い人は、夜に選択が多い。

おすすめのテンプレ:

  • 19:00 夕食
  • 19:30 皿洗い(終わらせる)
  • 20:00 風呂(先に入る)
  • 20:45 ストレッチ or 散歩10分
  • 21:15 読書/耳で聴く(画面を避ける)
  • 22:30 就寝

ポイントは、酒の時間に「別の行動」を入れ込むこと。

酒を抜くだけだとヒマが残る。

ヒマが残ると誘惑に負ける。

3)酒のことを考える時間を減らす(情報遮断)

第3話⬇️のSNSの話とつながりますが、この記事でも再確認。

  • 酒YouTubeは「興味なし」を連打
  • 晩酌系はミュート
  • 夜は画面を見ないルール

これは意志を強くするのではなく、誘惑を弱くする作戦です。

(第3話)YouTube・SNSが禁酒を壊す。なぜ見るだけで、また飲みたくなるのか
禁酒中にYouTubeやSNSで酒の動画を見るとなぜ再飲酒しやすいのか。脳の反応と実体験から解説し、禁酒を続けるための具体策と代替習慣を紹介。

4)「戻ってもやり直せる」設計にしておく

禁酒の敵は、再び飲酒するよりも

ラスコル
ラスコル

やってしまった。もうダメだ

という全か無か思考です。

公的なセルフヘルプでも「記録する」「対策を試す」「立て直す」が基本として示されています。

つまり、戻ったらこうするだけ。

  • どの合図で飲んだ?(場所・時間・気分)
  • 次回は何に置き換える
  • 翌日は最短で生活に戻す(引きずらない

☀️まとめ

この記事を読んだ人が得れるものはこれです。

  • 禁酒が辛い理由が「自分の弱さ」ではないと分かる
  • 夜のヒマに負ける仕組みが分かる
  • 我慢ではなく設計で勝てる
  • 翌朝の軽さを取り戻せる確率が上がる

✅次回予告【第5話】

「完全禁止」より「ルール化」する

回復思考の禁酒論――挫折しない続け方

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