「なぜ新刊本は忘れられて、昔話は残り続けるのか?」ふと疑問に思って調べてみた

自己啓発・習慣術

本屋に行くと、新しい本がぞくぞくと刊行されています。

どれも興味深い内容ですし、SNSで「今年一番刺さった本」や「人生が変わった一冊」などと書かれているとつい買って読んでしまいます。

しかし、その本を数年後に思い出せるかというと正直あやしいです。

一方で桃太郎や赤ずきん、シンデレラといった昔からある話。

子どもの頃に聞いた話なのにかかわらず、細かいところは違っていても大筋は頭の中に残っています。

これは一体、なんでなんだろう」。

昔の人が現代よりすごいものを作ってたから?

さすがに雑すぎる考えなので調べてみました。

📕昔話が「すごい」のではなく「残ってきたものだけ見ている」

まず最初に当たり前かもしれませんが

昔も創作された作品は大量にあった。

今みたいに本屋はなくても、物語は山ほど作られ語られていた。

ただ、そのほとんどが消えていった。

今、わたしたちが「古典」と呼んでいるのは、何千年もかけて生き残ったほんの一部にすぎない。

つまり、「昔話は全部名作」ではなくて、残ってきた名作だけをわたしたちが見ている

意外と忘れがちなことです。

📝口で伝える世界は、容赦なく覚えにくい話をそぎ落としていく

昔話は、紙に書かれる前には口伝されていた。

人に覚えられなかった話
話しにくかった話
オチがない、よわい話

そういう話は、そこで消えてしまった。

逆に生き残る話はだいたい共通点があった

  • 因果が単純な話
  • 同じ展開を何度か繰り返す話
  • 少しだけ不思議な話

ここで大事なのが「少しだけ」、完全に現実的だと印象に残らないのです。

逆にいろいろありすぎると聞き手が混乱してしまう。

現実に少しだけズレが入る。

動物がしゃべる。かぼちゃが馬車になるなど

この「少しだけのズレ」が脳裏に引っかかるのです。

🟥赤ずきんちゃんは「話がブレるから」生き残った

調べていて一番おもしろかったのが、「赤ずきん」です。

実は、赤ずきんは正解のストーリーがないようです

食べられて終わる話
狩人に助けられる話
教訓色が強い話

語られる地域や時代で結末が変わっていくそうです。

普通に考えると「話がブレてる=完成度が低い作品」と思いますが、逆です。

話がブレたから生き残ってきた。

時代に合わせて「ここは今の価値観に合わないな」「子ども向けだから少し話を優しくしよう
と調整できる。

ガチガチに完成された話よりもいじれる話のほうが長生きするそうです

👗シンデレラは「型」だけが残った

シンデレラも同じように世界中に似た話があります。

ガラスの靴ではない国もあるし、妖精が出てこない話もある。

でも、核は同じです。

不遇時代→ 助けられる → 変化する→ 最後に選ばれる

この「」だけ残っていれば、舞台も道具もいくらでも入れ替えて作れることができる

だから、何百年も何千年も話を使い回せる

古典というのは「完成品」ではなくて「設計図」なんでしょうね。

📕ホメロスは「書いた人」より「語った仕組み」が強かった

「イリアス」や「オデュッセイア」は最初から本だったわけではなかったようです。

語り部が人前で語り、長い物語をその場で組み立てる。

そのために

決まった言い回しを使う
繰り返しする構造
リズムが大量に使われている

読むと少しくどいと感じる部分も語るには都合がいいようです

ここで気づきました。

古典は「文章が美しいから残った」だけではなくて、人間が話を再生しやすい形をしていたから残ってきたと言えます

✅決定的な違いは「何度も出会う仕組み」があるかどうかにかかっている

昔話や古典は

学校教育でかならず習う
絵本になっている
映画やアニメになっている
親が子に語りついでいく

人生の中で何度も出会う

現代の小説やエッセイは、1度読むと大抵の場合は2度と読むことが少ないです。

どれだけその時には心に刺さったとしても、再会しないと記憶は薄れていくだけ。

残るかどうかは、作品の力 × 出会う回数であるといえよう。

⤵️では現代の作品はダメなの?

それは違います。

現代の作品は、「今のこの瞬間」を切り取るのがうまいのですが、賞味期限が短いという意味もあります。

昔話や古典は、長期の保存食みたいなものでしょうか。

どっちが上ではなく、役割の差かと思われます。

☀️まとめ:昔話が残る理由は、意外と現実的だった

調べてみると、ロマンを求めるよりも現実的でした。

  • 長い人類の歴史の中で残ったものだけを我々が見ている
  • 話が覚えやすい形になるように常に削られてきた
  • 簡単に内容をいじれるから時代に合う
  • 基本の「型」だけが残っている
  • 何度も再生される仕組みが作られていた

「昔の人はすごかった」というよりも時間が編集者だったようです。

こう考えると、「ずっと残る文章」を書くことは、才能が優れているよりも設計上手なのかもしれません。

昔話の“型”を個人ブログの記事構成にどう使えるかを今後は自分なりに試してみようと思いました。

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